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日本を第二次世界大戦に追い込んだ、アメリカ中央銀行シティバンクの悪行

 

日本を第二次世界大戦に追い込んだ、アメリカ中央銀行シティバンクの悪行

 

書物短評 :  加藤俊彦  「本邦銀行史論」  東京大学出版会

 

 本書出版時には東京大学名誉教授であった日本金融史・銀行史を専門とする碩学・加藤俊彦による、第二次世界大戦までの、日本の銀行史の名著である。

 

 

惜しくも5年前、急逝された著者は本書で、合従連衡を常とする金融界の紆余曲折を描き出しながら、外国においては経営危機・投機の失敗等によって銀行の倒産・吸収合併が繰り返される中、とりわけ日本近代においては、国策による吸収合併が繰り返されて来た事実を詳述している。

 

日本の銀行とは、国家による国策の賜物であった。

 

1923年、関東大震災によって焼け野原となった東京の復興事業を成功させた、当時の東京市の住宅・都市計画局の責任者であった後藤新平は、日本軍が台湾を軍事侵略し支配下に置くと、その台湾「開発」の責任者に抜擢される。日本の民間企業が、台湾支配の先兵として続々と台湾に「上陸」する中、その「開発」の資 金融資を担当したのが日本国家の国策銀行=台湾銀行であった。この台湾銀行は、第二次世界大戦後、日本興業銀行と名前を変え、ワリコー等の金融商品を販売していたが、90年代のバブル崩壊による金融危機で、やはり日本国家の「国策」によって第一勧業銀行等々と合併され、現在、みずほ銀行となっている。

 

2009年、世界金融恐慌によって発生した、日本の大手都市銀行の抱える膨大な不良債権を、この、みずほ銀行に集め、この国策銀行「単独の責任」の形で破綻処理=税金投入で解決しようとする、金融監督庁の戦略=国策によって、三たび、この銀行は国策金融の屠殺場になろうとしている。

 

一方、第二次世界大戦中、日本軍の朝鮮半島支配と共に、朝鮮半島の「開発」目的で作られた国策銀行が朝鮮銀行であり、第二次世界大戦後は、日債銀と名前を変え、現在は、あおぞら銀行となっている。朝鮮半島に関しては、銀行業の「進出」は当初、民間ベースで進み、その中核銀行が第一銀行であった。この第一銀行の 「業務を国家が召し上げ、事実上、吸収合併する事」によって朝鮮銀行は発足した。この第一銀行の後身である第一勧業銀行と台湾銀行=日本興業銀行の合併になる、現在の、みずほ銀行は、まさに台湾銀行と朝鮮銀行と言う植民地銀行の「合併企業・国策銀行」である。

 

 この台湾銀行の融資事業の展開と台湾「経営」の成功によって、満州国家の総裁に抜擢された後藤新平は、かつて東京市の住宅局を担当する以前には、厚生課を担当し、医薬品の専門家でもあった。後藤は、「国家による麻薬販売で、戦争資金を捻出するべきである」と言う持論の持ち主であり、この後藤の思想から、第二 次世界大戦中、中国大陸では日本軍部が隠然と、しかし大々的に、アヘン販売を展開した。アヘン取引は現金決済が基本であり、戦争に敗北すれば紙クズになる国家紙幣等、誰も信用せず、金塊による決済が常識であった。満州国家の、この麻薬販売担当者が、吉田茂=麻生太郎前首相の祖父、佐藤栄作、岸信介であった。

 

この3人は、蓄財した麻薬売買の利益で、戦後、3人全員が、自民党首相になる。

 

そして、この麻薬売買の決済用の金塊は、日本の横浜に営業所を構える麻生太郎前首相の祖父=吉田茂の養父=吉田健三の経営するロスチャイルドの金塊販売支店が供給していた。

 

これが、麻生太郎一族の政治資金=富の源泉である。

 

この満州帝国の地下資金=日本の戦争資金の流れを見る時、後藤が満州帝国総裁に出世するスプリング・ボードとなった台湾銀行の創立資金が、ロスチャイルドによって出資されている事は、注目されて良い(加藤俊彦の本書p199)。

 

裏の支配者は、こうして時々、表にも顔を出す。

 

戦争を実行し、中国大陸への侵略を行ったのは日本軍であったが、資金がなければ戦争は不可能である。銀行強盗の犯人は処罰されなくてはならないが、銀行強盗に使用する出刃包丁と逃走用の自動車を与え、銀行内部の図面を準備し、「強盗は、儲かる」と、ソソノカシタ教唆犯罪者=ロスチャイルドは、日本の侵略戦争に 関して、過去に一度も責任を問題化された事は無い。

 

本書には、ロスチャイルドと共に、日本の台湾侵略資金を「融資した」銀行として、投資銀行パンシュア・ゴードンの名が出て来る。パンシュア・ゴードンは、日露戦争でも、銀行クーン・ローブ=現在のリーマン・ブラザースと共に、日本に戦争資金を融資している。

 

このパンシュア・ゴードンは、かつての英国国営の化学企業ICI=インペリアル・ケミカル・インダストリーの親会社であり、ナチス=アドルフ・ヒトラーが、アウシュビッツの強制収容所でユダヤ人大量虐殺に使用した毒ガス=チクロンBガスの製造元の1つが、このICIである。

 

イギリス国家と、ナチス企業が、日本の日露戦争と、第二次世界大戦での台湾・朝鮮・中国侵略の「教唆犯罪者」であった。

 

さらに、満州国家建国の資金を、アメリカのシティバンクが融資していた事実は、「戦勝国」アメリカ、イギリスが、敗戦国日本を裁く東京裁判等、実行犯を教唆犯が裁く茶番劇そのものであった事が分かる。

 

「自由主義」経済の本家=アメリカには、1776年の建国から、1913年のアメリカ中央銀行FRBの創立まで、150年近くに渡り、中央銀行による市場のコントロールが「存在しなかった=自由放任であった」。この150年の間、アメリカ国内の全ての銀行の経営難・倒産・不良債権処理の指揮・コントロール・救 済合併等を行って来た、事実上のアメリカ中央銀行が、シティバンクである。単なる民間企業の1つが、日本の中国侵略資金を貸し付けていた訳ではなく、アメリカの国策銀行=事実上の中央銀行が、国家意思として、日本に戦争資金を融資していたのである。

 

 

 なお、農業経済の専門家でもある本書の著者・加藤俊彦は、明治以降の日本の近代化が、三井・三菱・住友と言った財閥を中心に推し進められた結果、天皇と結託した、こうした財閥=一部の私的利権集団による、その時その時の、場当たり的な「利益目的での、ツマミ食い的投資」しか、日本では行われず、その結果、社 会「全体」の近代化が遅れたと本書で指摘している。その典型として、企業体による土地への投資・買収=大農場化、戦略的な研究開発が農業分野で著しく遅れた、と、日本の財界の視野の狭さ、国家戦略の無さに批判を加えている。この農政への無策、国家全体の戦略性の無さ=「一部の利権集団による、目先の利益誘導=ツマミ 食い的投資・事業展開」と言う国家の欠点は、現在に至るまで日本の負の遺産として引き継がれている。

 

by AL