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豆満江開発計画に見る100年後の北東アジア

豆満江開発計画

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皆さんは豆満江開発計画という名前を聞いたことがあるだろうか?

 

豆満江開発計画とは、、、

中国,ロシア,朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の3国が接する豆満江流域約620平方kmの総合開発計画。国連開発計画UNDP)が中心的な担い手。中国の琿春,北朝鮮の羅津・先鋒,ロシアのポシェットを結ぶ三角地帯に経済特区を設立,大型工業団地を造り,外国企業を誘致して世界第2の貿易港にする構想。

*以下URLより引用

kotobank.jp

 

この豆満江開発計画に最も積極的な姿勢を見せてきたのが中国であり、また北朝鮮・ロシア・韓国も基本的に前向きな姿勢を見せている。

 

中国側の狙いは主に2つある。

 

1つ目は、この地域にある羅津港を確保し、中国海軍が日本海へ進出する際の拠点とすることである。

中国海軍が日本海に拠点を築けば、対日本面で大きな軍事圧力をかけることができるのに加え、国際海峡である津軽海峡を経由して太平洋に進出することができるようになる。

この太平洋進出は、中国にとっての国家100年の悲願であり、軍事・経済面におけるその影響は計り知れない。

また、日本海を経由しての北極航路への進出も可能となる。

 

2つ目は、北朝鮮の金正恩体制崩壊後も、中国がこの地域をこれまで通り緩衝地帯として利用するために、北朝鮮の経済の実体部分を押さえる狙いがある。

仮に金正恩体制が崩壊し、自由主義的な民主主義体制が成立したとしても、経済の実体部分さえ押さえておけばコントロールできるであろうという目算である。

 

 

北朝鮮側の狙いは、純粋な外貨獲得に加え、羅先市を中国製品・ロシアのエネルギー・北朝鮮の資源と労働力・日韓の資本と技術のハブ都市とすることで、北東アジア地域におけるドバイやシンガポールのような位置づけを長期的に目指している。

また、この地域には国境をまたいで多くの朝鮮族が暮らしており、そのネットワークの物理的中心を羅先市に築く狙いもある。

 

 

ロシア側の狙いは、ロシアのエネルギー資源を日本・韓国に売り込むためのルートを整備し、成長著しいアジアの経済力を極東ロシアに呼び込むことで、極東・シベリア開発を推し進める狙いがある。

また、アメリカが不参加の計画であるため、東アジアにおけるロシアの存在感を高めることにもつながると見ている。

 

 

韓国側の狙いは、将来の南北統一を見据え、この地域の経済発展を金正恩体制崩壊につなげ、そこから平和的な統一の可能性を探る狙いがある。

また、極東ロシアと北朝鮮という韓国にとって未開拓の市場を自国の製品販売市場として押さえたいという狙いもある。

 

 

100年後のアジアの姿

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それぞれがそれぞれの思惑からこの豆満江開発計画に参画している。

 

中国、ロシア、北朝鮮、韓国は普段、国際政治の舞台では互いにけん制し、協調し、対立し合っている。

しかし、この豆満江では中国人もロシア人も朝鮮人も、同じようにビジネスを展開している。豆満江には民族主義もナショナリズムも存在していない。ただ金とビジネスと人だけが存在している。

ここに100年後の北東アジア、その未来の姿が垣間見える。

 

150年前、日本では長州藩と会津藩が戦争状態にあった。70年前、フランスとドイツは激しく憎悪し殺し合った。

しかし2017年現在の我々には、山口県の利益のために福島県民を殺すことなど到底考えられない。

地域・国家・民族の対立は、長い時間と幾度もの悲劇を経て、カネと富という液体によって中和されていく。

 

150年前の上海と香港はただの原っぱであった。30年前のドバイは何もない砂漠である。

これらの都市は、その地域のヒト・モノ・カネのハブ都市となることで、爆発的に成長した。

 

100年後、北東アジアのハブ都市はどこであろうか?

 

日本政府・企業は豆満江開発計画に参画せず、一切の投資を行っていない。

日本の無策は続く。

 

 

参考

haiyang.jugem.jp