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おすすめ中国映画紹介!「过年好」

おすすめ中国映画紹介!(ネタバレ無し)

「过年好」

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2016年もあっという間に終わってしまいそうな今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか?管理人は忘年会シーズンで金欠に苦しんでおります( 一一)

 

さて、今回はこの年末にピッタリな中国映画の紹介です。

ハリウッド映画や邦画に比べあまり認知度が高くない中国映画ですが、実はけっこう面白いものもたくさんあります。

youtubeで気軽に見れるものも多いので、お時間ある時にでも見てみてくださいね(/・ω・)/

 

特に中級レベルの中国語学習者には中国映画は最高の教材ですんで、ぜひ1度中国語学習に映画を取り入れてみてください!

(youtubeのやつは字幕が英語と中国語ですんで、中国語がまったく分かんない人にはあまり面白くないかもです(;´・ω・))

 

中国映画「过年好」

baike.baidu.com

 

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2016年2月1日公開の中国映画。一応分類的にはコメディー映画に分類されてますが、中身は割としっかりしています(いろいろ考えさせるという意味で)。

この映画のように、コメディーテイストだけどでもしっかりと考えさせてくれる映画ってあんまりないですよね(^^;)

 

ネタバレ無しで内容を紹介しますと、昔、学校の先生をしていたおじいさんが家族とともに中国の春節(旧正月)を過ごすのですが、実は家族全員がそれぞれ問題を抱えていて、、、といった感じです(すいません紹介へたくそで笑)

 

軽い感じで言えば、「おじいさんを中心とした春節ドタバタコメディー」

お堅い感じで言えば、「春節を題材に、現代中国社会の様相と中国人の価値観の変化、世代間階層間のギャップを描き、そこに悩み苦しみながらも懸命に生きる現代中国人の悲喜劇」

といった内容。

深く考えず軽い感じで見るのも良し、深く考えて社会派な映画として見るのも良し、どっちにしてもおすすめですよ!

 

一応YouTubeのリンクを貼っておきますね(^_^)

https://www.youtube.com/results?search_query=%E8%BF%87%E5%B9%B4%E5%A5%BD

 

ちなみに最後のエンディングで日本語が出てきてちょっと面白かったです。

 

「过年好」考察

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ここから少しお堅く考察。

 

中国人の価値観・アイデンティティーの核心ともいえる「家」という概念。

この「家」という価値観が現代中国社会において大きく変容していっていることが、本作「过年好」からうかがい知ることができる。

今後の中国社会がどのような様相を呈するのか?「家」という概念がどのようになっていくのか?中国人という存在はどうなるのか?そのヒントは、「家」という概念を共有する比較対象である、日本・韓国にあるだろう。

 

 

かつて日本においても「家」という概念が人々の支配的な価値観であったことは言うまでもないだろう。

 

しかし日本における「家」という価値観は、経済の発展と欧米の「個人」思想に基づいた教育によって、その支配的な地位を失っていった。つまり「家」という概念が「個人」によるアイデンティティーの選択の1つに成り下がったのである。

(言い換えると、「日本人であれば必ず家を大事にしなければならない」から「日本人でも家を大事にする人もいれば大事にしない人もいる」へと変化したということ)

 

もちろんそこには良い面も悪い面もある。恋愛と結婚の自由化、女性の社会進出、多様なライフスタイルの選択、LGBTへの許容拡大、、、。「家」からの解放とはすなわち「個人」の自由・独立である。

ただそれに対して、必然的に負の側面も存在する。

結婚難民とそれに伴う少子化、自由の代償である責任の重み、孤独老人や自殺の増加、経済格差の拡大、、、。「家」の衰退とはすなわち極寒の責任の中に一人生きることである。

 

こうした負の側面は日中韓に共通する社会問題であるが、もちろんそれぞれに特有の事情もあるだろう。

中国に関して言えば、その広大な国土と膨大な人口、多様な民族、激烈な経済格差、共産党の一党支配などである。こうした特色は当然、社会の変化に影響を与え、日本や韓国とそれぞれ違った要素を含んだ変化となるであろう。

 

映画「过年好」には様々な人が登場する。田舎で一人で暮らす独居老人、北京でバリバリ働くアラフォーのビジネスウーマン、アメリカの大学に通う女子大生、移動販売の陽気なおじさん、在米のイケメン華人、ビジネスに成功した経営者、鳥屋や八百屋で働く人々、清掃員の女性とその子供、、、

 

そしてそのそれぞれが年越しを迎える。家族で集まって過ごす人、パーティーに参加して過ごす人、アイドルのコンサートに行く人、友人と過ごす人、田舎で一人過ごす人、雪の中道を清掃しながら子供と過ごす人、、、

 

そこには激烈な世代間のギャップ、経済の格差が厳然と存在し、彼らはまったく別世界に生きているように我々には見える。

それでも彼らはみな言う、「过年好」と。そう、どれほどギャップ・格差があろうとも彼らは中国人なのである。

 

まるで薄い霞のような、それでいて力強い「中国人」という概念。「家」から解放され「個人」として悩み苦しみ楽しみながら、価値観のはざまで懸命に生きる現代中国人の「中国人性」、その思いが映画の終盤、SNSというツールによって伝播し共有され、映画は結末を迎える。まさに現代の中国・中国人を象徴するような良作である。

 

 

「中国人」という概念、春節の伝統が今後も共有され続けてていくかは、中国人自身にも分からないのだろう。そうした不安や危機感、思いは映画の公開日から伺える。本作は映画製作者からの中国人へのメッセージでもあると思う。

 

なぜそう思うのか?

 

2016年の春節は2月8日からである。そして、本作「过年好」が公開されたのは、2月1日である。